不動産投資のチャンス到来
不動産投資のチャンス到来
戦略から、B社はかつてスカニアとの合併を計画したことがある。
その交渉は不成功に終わった。
そのあと、さる一月、B社はこのライバル会社の株式を約一二・八五%取得した。
もしいっきにスカニアを買収しょうとすれば、その価格は四七〇億SKといわれている。
フードがB社側に支払った資金は、五〇〇億SKであった。
これでまた、B社のスカニア株式買収はいっきに拍車がかかるだろうこの思惑から、スカニア株はその日だけで一・九%上げたのである。
B社の株主総会は、三月に開催された。
かつて九三年、ルノーと合併を前提とした株式持合い交渉が成立したことがある。
その承認を求める株主総会が大紛糾、ついに不成功に終わり、結局は社長の辞任問題まで引き起こした。
ただ、今回はじつにスムーズに承認された。
これは、ことの背景が、前回とだいぶ異なったからである。
ヨハンソン社長は、フード買収資金五〇〇億SKを、おそらく世界の商用車メーカー漁りに使うだろう。
とくに、同じスウェーデンのスカニア買収にあてるとしたら、これこそ現代世界の「卓闘」絵巻を目のあたりに見る感じがするはずである。
これが、ほんとうの経営者のしたたかさである。
いや、スカニアだけではない。
B社はいま、アメリカのナビスター、ドイツのMANなどに食指を動かしつつある。
まさにへ商用車ビジネスに燃え狙った感があるのだ。
これは、ダイムラー・ベンツを追い抜き、世界に冠たる商用車メーカーの地位をねらう戦略である。
これでB社は、乗用車産業で果たしえなかった量産量販体制の夢を実現したいのである。
みずから弱い部門(乗用車)を切り捨てて、そこで得た糧をみずからのライバル殺しに使って、自分の生き残りをはかるまさに「車間」を生き抜く知恵である。
フードはどんな戦略意のもと、この大枚を支払ったのか。
この会社には、長期目標として「フード計画」なる構想があった。
A・ロッマン前会長が策定した世界戦略構想である。
内部的構想のため、ときに流動的な面もあるが、いちおうの成果をみたので、九九年で終了した。
それと併行して九九年一月一日から、ナサー・フード自動車事業部社長が、フード社長兼CEOとなった。
同時に、会長には、W・クレイ・フード氏がおさまった。
今回のB社買収は、二人にとって初の再編問題だった。
二人は、かなり息が合っていたようで、側近によれば、デアボーン世界本社一二階にあるおたがいの部屋のドアは、よくノックし合う音が聞こえていたという。
CEOとなったナサー社長は、「フード計画」の精神を堅持しつつも、新しい経営哲学を発した。
それは、つぎのようなものだった。
「フードは、お客様にきちんと整理された商品とサービスを提供するリーディング・カンパニーである」ナサー社長の意味するところは、お客がどんなものを欲しているかをもっとよく理解しお客の論理にもとづいた商品とサービスを提供できる他界最高の企業にしたいということである。
この経営哲学が、B社を買収するときの原点にあった。
それは大きく分けて、三つの意味があった。
たとえば、いまフードは販売戦略として女性にかなり重点を置いている。
その日で、アメリカ市場でのフード系商品をみよう。
このでわかるように、リンカーン系では女性のユーザーは二五%しかいない。
ジャガー系でも三〇%しかいない。
それにたいして、B社系は、じつに五一%が女性ユーザーなのである。
さらに、年齢別に客層をみてみる。
なんと、五三歳以下のユーザーは、ンカーン系では一七%、ジャガー系では四〇%と、きわめて少ない。
たいするB社系は、七〇%にも上っているのだ。
逆にいえば、リンカーン系の八〇%以上、ジャガー系の過半数が、五四歳以上のユーザーであって、平均年齢はかなり高齢化しているといわねばならない。
このように、女性客が少なく 、中年以下の客層が少ないということは、将来にかなり重要な問題を残すことになる。
さらに、価格帯別にみるとどうか。
いま大まかに分けると、リンカーン系の大勢は三万ドル以下、ジャガー系が五万五〇〇〇ドル以上七万一〇〇〇ドル以下である。
この中間に存在するのがB社系で、二万七〇〇〇ドル以上四万ドル以下となっている。こうしてみると、B社系をリンカーン系、ジャガー系に取り込んだとき、かなり相性がいいことになく、それはまたフードのお客の潜在的要望からみて、じつに居心地のいいことになる。
フードは、これまで商品系列にはフルラインをとってはいたが、顕微鏡的にみると、まだすき間があった。
このすき間こそ、これから埋めなければならない。
それが、女性と若者に重点を置いた市場開拓なのである。
この背景には、最近とくに顕著なアメリカの自動車市場の特性があった。
乗用車の保有台数が、運転免許者のいる家庭に、かなり普及し切ってきたという深刻な事態である。
まずは、つまり、乗用車の保有台数が、運転免許者のいる世帯あたりでみると、二台になんなんとしていること、しかももっと深刻な事情は、九六年が一・九九台、九七年が一・九九台と二年連続で頭打ちになっていることだ。
つまり、少なくとも過去二年間は、伸び悩んでいることになる。
さすがに自動車の胃袋アメリカも、その過食に堪えかねているのだろう。
あとは、新規需要の開発か代替需要の喚起しかないのである。
このとき、フードはアメリカで販売されているB社のユーザー層を計算した。
たかだか、年間一〇万一〇〇〇台(九八年)だが、女性ユーザーは五一%と過半数を占めているし、五三歳以下のユーザーも、リンカーン系、ジャガー系にらべてはるかに多い。
当然、中年層も多いと類推できる。
これらのユーザーは、数年後のモータリゼーションの中核たりうる。
B社を傘下におさめることによって、永年たまっていたフード・ユーザー層に革命を起こすかもしれない。
スウェーデンで行なわれた買収発の記者会見で、ナサー社長はこう述べている。
「私たちは、いまヤル気のある労働力、みずから進んでやる熱意、めどもつきない才覚を買おうとしている。
われわれは、B社というブランドがもつ力と評判、それにもっともすぐれた種族としてのチームを買おうとしている 。
だから、われわれはB社のクルマにたいして、よき支援者(保護者)でありたいと思う。
ちょうど、ジャガーにたいするわが社と同じ関係をたもっていきたい。
フード自動車の傘のもとで、いかにもB社らしい心と文化のあるクルマを開発していただきたい」ナサー社長は、直感的に、そう結論づけた。
これが、B社に注目した一点であった。
る。
これこそ永年の蓄積から生まれたものだ。
さらに、なぜか、環境にやさしいというイメージもある。
この点は、環境保護主義者であり、人命尊重主義として定評のある」oフード会長には高く評価された。
このグラフは、九八年実績にもとづくもので、アメリカ販売は八一四万台Wardが調べ)、ヨーロッパ市場は一四三四万台uw調べ)を前提に、両社系のシェアをとった。
GMは、オペル、ボグゾトルの株式を一〇〇%サーブは五〇%保有し、フードは欧州フード、ジャガー、B社乗用車部門の株式を一〇〇%保有している。
これでみるとわかるように、アメリカ市場では、フードが商用車分野で二・五%の差をつけてリード、全体ではGMが四・六%リードしている。
ただ、九七年時点では、GMが六・二%もリードしていたので、両社の差はじわりじわり迫っているということになる。
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